こんにちは。

さとうです。

 

今回は「金華山詣」の続きをご紹介したいと思います。

 

前回は仙台城下を出発して東に進み、現在の石巻市にある日和山の神社に参拝したところで終わりました。今回はいよいよ海を目指します。

 

日和山から下った後、門脇や住吉、牧山など今も石巻に名前が残る地区を巡り、それぞれにある神社に参拝します。牧山には、かの有名な坂上田村麻呂が、倒した敵の祟りを恐れて勧請した牧山観音があるとされています。

次に出てくるのは渡波という地名です。

 

松原をたどりて渡波の里、

濱大明神に詣、町より東の方に

海士の塩焼業など見侍りて、

是より乗合の船を頼ミ渺茫

たる海上に真帆折かけ、

 

渡波は製塩業が盛んな土地でした。ちなみに「濱大明神」は伊去波夜和気命神社のことで、現在も石巻市渡波地区に鎮座しています。

 

さて、ここから先は海路で金華山を目指します。

水主の案内を聞きながら船で海を進んでいくのですが、この部分はずっと島や浜の名前が続くので、現在の牡鹿半島周辺の地図と、文章に出てくる地名を地図にあらわして視覚的にわかりやすくしてみたいと思います。

 

図1

 このマップは大体の位置を示したものなので、江戸時代の地名とは異なる点があるかもしれませんが、その点はご了承ください。

 

画面中央の旗マークが渡波でスタート、右下の旗マークが鮎川浜でゴールです。

そのほかは、水主が案内した順に黄緑→緑→濃い緑で島や浜の名前を示しています。

これを見ると、渡波から東南の方向へ半島沿いに船が進んだことがわかります。

 

猫神社がある田代島や、夏には海水浴場が賑わう網地島は今でも知られていますよね。

網地島は日露史上初の交易地としても知られるそうです。

 

そして画面右には、遂にこの旅の目的である金華山が見えています。

鮎川浜からは陸地を挟んですぐ反対側です。

 

次回は金華山に渡るところからスタートといたします。