初めまして、文学部1年生の初瀬と申します。初めてブログを投稿させていただきます。
今春に新入生としてみちのく古文書同好会に入会しました。
今回は、8月6日に南材木町の旧針惣旅館にて行われた資料レスキューの様子をレポートしていきます。1年生のうちから本格的な資料調査に参加できるのは非常に貴重な機会だと聞き、レスキューに参加しました。
今回の資料レスキューは、NPO法人宮城歴史資料保全ネットワークが中心となり、民間の方や市内の他大学の学生の皆さんとご一緒しての大規模な活動になりました。
現場に到着した我々を出迎えたのは見事な屋敷でした。道路に面した店蔵をはじめ、母屋や蔵に至るまで明治~昭和初期に建てられたもので、外から眺めるだけでも大変見応えがありました。
まず調査をはじめるにあたって、建物・部屋ごとに班分けされ、我々こもんどうのメンバーは母屋の奥の蔵を担当することになりました。この蔵は敷地の中でも古い年代のもので、ご当主によれば築130年ほどになるということでした。
蔵の中は1階と2階に分かれており、1階には旅館の業務に関する記録や重箱などの什器類、2階には個人的な蔵書や手紙、衣類などが主に仕舞われていました。古文書レスキューに来たからといって必ずしも蔵で古文書だけが見つかるわけではありません。棚や長持の中身を確認する作業に大幅な時間を費やすことになったのは、初心者の私にとっては印象深い出来事でした。日用品や近代の雑誌なども含む膨大な量の品々から、この建物の旅館として、住居としての歴史の蓄積を垣間見ることができました。
当初は、蔵だけでも一日で調査を終えられるか不安になるほどでしたが、こもんどうメンバーの地道な奮闘と資料ネットの方のサポートによって、午後には蔵の調査を終えることができました。他の部屋や店蔵を担当していた班の作業も順調に進み、旧針惣旅館の資料調査は予定通りに完了しました。
今回の資料レスキューでは、古い紙の手触りやホコリが付着した様子を目にすることで、これまではガラスケースの外から眺めるだけだった古文書について、よりリアルな姿を理解できたように感じています。今後も資料レスキューが行われることがあれば、また参加してみたいです。
追記:今回の資料レスキューの様子が河北新報で記事になりました。蔵の調査の様子も写真で掲載されています。また、旧針惣旅館の建物は、今後リノベーションしてレストランや宿泊施設にしていく計画があるようです。開業した際には、ぜひこもんどうのメンバーで訪れてみたいと考えています。
https://kahoku.news/articles/20230829khn000037.html
https://kahoku.news/articles/20230809khn000032.html
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