皆様ご無沙汰しております、文学部4年のクワトロです。

本ブログでもお知らせしております通り、災害科学国際研究所災害アーカイブ研究分野では、令和6年能登半島地震の発生を受け、文化遺産の被災状況を推定する作業を行っており、みちのく古文書同好会の所属学生も参加しております。

今回は私クワトロが、僭越ながら参加している学生としての所感を述べさせていただければと存じます。

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 文化遺産の被害状況を推定するという形で、被災地の文化財について研究する。この活動はどのような意義があるのか考えさせられることとなりました。現地に赴いて救援・復旧作業を行ったり、物資を送ったりするような活動と異なり、本活動は被災された方々を直接支援するものではありません。

私は地域の文化財の被害状況を推定し復旧や保全に役立てることで、地域の文化や産業を守り、復興に貢献することができると考えます。地域の文化財は、観光や地元の産業、教育と密接に結びついているために、これらを失うことは地域の特色や独自性の喪失につながります。しかしながら、文化財を保護し、その背後にある物語や歴史、人々が歩んできた道程を伝えることで地域のアイデンティティを伝えることができます。

震災という文化財大量喪失の危機に際し、文化財をいかに保存していくかという近年の課題が我々の目の前に見える形で現れたわけです。復旧・復興の過程で、地域がもとの姿を取り戻す際の拠り所、道標として文化財があるのだと考えます。

被災された地域の方々が一日でも早く安らかに過ごせるようになり、地域の物語がまた紡がれていくことを心よりお祈り申し上げます。