文学研究科のリです。
1月1日に能登半島の大地震という、本当に痛ましい出来事がおこりました。被災地の皆さんは今も大変な状況にあると思います。地震は本当に恐ろしいものだと、改めて実感しています。
ここでは、ひとりの外国人として、今回の地震について考えたことを述べたいと思います。私の故郷は、滅多に地震が起こらない場所です。それゆえ、日本で生活するようになってはじめて、地震の怖さを実感しました。2018年に始めて日本に来た時、夜にベッドで寝ていると、部屋が震動するのを感じました。あの時の地震は弱く、日本人の場合は多分慣れていて驚かないでしょうが、自分は確かに死の恐怖すら感じました。例えるなら、どこにも逃げられない、生物としての本能の恐怖感でした。
日本での生活が長くなると、だんだん地震に慣れてきましたが、その恐怖を再び感じたのは、2022年の3月でした。持っていたふたつのスマートフォンから大きな音で警報が鳴り、その直後に、大きな揺れを感じました。ヘルメットをかぶって、ベッドに座り込んで、何をすればいいのかが全くわからなくて、再び死に対する恐怖がよみがえりました。このような本能的な恐怖感にどうしても慣れることができません。この恐怖感を感じる瞬間、自分はどれほどちっぽけな存在であることがわかります。でも、個人として弱い存在ですが、大きな災難を面する時、人々は国を問わずお互い助け合えば、どんな災難でも乗り越えられると思います。
今回の能登半島地震への対応として、災害科学国際研究所でおこなわれている文化遺産の被害推定の仕事に参加しています。オンラインマップを活用して、文化遺産の所在地を調べ、国・県・市指定文化遺産に震動を示す色をつけたりする作業を進めています。
被災地の方々の生活が、一日も早く通常に戻るように、心からお祈り申し上げます。
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