
遅ればせながら初めてブログを書くことになりました、文学部ギリギリ1年のタイラと申します。
先日、我々こもんどうメンバーは石巻巡見を行いました。当日は朝早くの集合でしたが、眠そうな気配を感じさせない先輩方と同期たち。さすがです。
電車とバスを乗り継ぎ、目的地の石巻市博物館にやってきました。

石巻市博物館
今回の巡見の大きな目的のひとつが、この博物館の企画展「みちのくの金と金華山」を観ることでした。古文書教室で往来物『金華山詣』を読んだので、この展示をとても楽しみにしていました!
企画展「みちのくの金と金華山」では、「産金」と「金華山」のふたつをテーマにして、日本遺産の「みちのくGOLD浪漫」の魅力が表現されていました。「産金」についてはそのはじまりから中世の金の文化、仙台藩が行った金山の経営から近代に起こったゴールドラッシュに至る歴史の流れが資料とともに解説されます。「金華山」に関しては、それを取り巻く人々の信仰にスポットライトが当たり、紀行文や金華山の絵画などの展示がありました。
古文書教室で扱った『金華山詣』はまさに後者に当たります。仙台を出発して金華山を目指す途中に、さまざまな名所についての記述も見られます。江戸時代に金を求める人々の間でさかんに行われた金華山詣が当時どのようなものだったかを示す資料として、今回の企画展にも展示されていました。
この他にも俳人の朱桃による『金華山紀行』や仙台大崎八幡宮の神官である大場雄淵が残した『奥州名所図会』など、金華山詣の様子を伝える資料を見ることができました。それらを比較することで見えてくる時代ごとの特色も興味深かったです。
古文書も多く展示されていましたが、入部したての頃よりも読める文字が多くなってきたような気がして嬉しかったです。
東北大学OB・OGの先輩で、ここ石巻市博物館で学芸員として働く泉田さん・塚本さんが、企画展や常設展について詳しい解説をしてくださいました。大学での学びを生かして社会で働く先輩方の背中は、とても眩しく映りました。
博物館を出てお昼休憩をはさんだ後は、『金華山詣』に登場する名所を巡ります。
まずは「袖の渡り」へ。そばには住吉神社もあります。本文では「門の脇より住吉の社に詣、袖の渡りを越る」と登場していました。冷泉為久が「ほしあへぬ 露だにうきを旅衣 袖の渡りの 波にぬらすな」という和歌を詠んだことも書かれています。金華山に詣でるにあたってはこの袖の渡りで北上川を渡り、渡波を目指したようです。
晴れ空の下で川がゆるやかに流れ、非常に美しい景色です。
ベストショット!
石碑や板碑も多かったので、ひかり拓本を取ってきました。しかしこの日は風が強く、寒さや倒れそうになる三脚を気にしながらの撮影となりました。中世の板碑があったり猫供養の石碑があったり、個人的にたくさんの発見ができた場所でした。
猫供養碑
猫供養碑 ひかり拓本
ひかり拓本撮影中の部員たち
石巻巡見はまだまだ続きます。後編では金華山詣を少し離れて石巻ならではの場所を訪れたり、地元の方との思いがけない出会いがあったりと、盛りだくさんの内容になっていますのでどうぞご期待ください。それではまた後編でお会いしましょう!
コメント