こんにちは!
災害科学国際研究所 災害文化アーカイブ研究分野で技術補佐員をしているツチノコです。
仙台国際センターにて開催されたWorld Bosai Forum 2025 世界防災フォーラムのプログラムの一環として、3月10日、東日本大震災の被災地を巡るエクスカーションに参加しました。
ツアーの目的は、震災の教訓を学び、復興の取り組みを知ること。石巻市の大川小学校、女川町を訪れ、震災の爪痕と復興の歩みを肌で感じることができました。
震災を知る ー 被災地の記憶をたどる
大川小学校 ー 震災の教訓
最初に訪れたのは、大川小学校でした。震災当時、ここでは児童・教職員の多くが津波の犠牲となりました。現在、校舎は震災遺構として保存され、震災の恐ろしさと防災の重要性を伝え続けています。
↑大川小学校校舎
お二人の語り部の方が小学校を案内しながら、なぜ児童が避難に遅れたのか、生存した児童の証言など、遺族の方々の貴重なお話を聞かせてくださいました。震災遺構を目の当たりにすることで、被害の甚大さを実感し、私たちが学ぶべき教訓について深く考えさせられました。
↑崩れ落ちた渡り廊下
旧女川交番 ー 津波の衝撃を伝える遺構
女川町では、津波によって横倒しになった旧女川交番を見学しました。鉄筋コンクリート造の建物が根元から倒されるほどの津波の力を目の当たりにし、自然災害の脅威を改めて実感しました。
↑現在の旧女川交番
門脇小学校 ー 炎に包まれた学校の記憶
門脇小学校は、津波だけでなく、その後の火災によって大きな被害を受けた学校です。今回は、外観のみの見学でしたが、校舎の傷跡から震災当時の壮絶な状況を想像することができました。石巻市は特に津波による火災被害が甚大であり、門脇小学校はその象徴ともいえる場所です。現在、震災遺構として保存され、震災の記憶を後世に伝えています。
復興を歩く ー 未来に向かうまちづくり
雄勝町の「海岸線の美術館」 ー アートで伝える復興の力
防潮堤の壁画アート「海岸線の美術館」(下写真)をバスの中からみることができました。震災後に地域の人々とアーティストが協力し、巨大な防潮堤に色鮮やかな壁画を描いたこの取り組みは、復興の新しい形として注目されています。
防潮堤は町を守る重要な存在でありながら、地域の文化や希望を表現するキャンバスにもなっていました。
震災から学ぶ ー 私たちにできること
震災から14年が経ち、復興は着実に進んでいます。しかし、被災地を訪れると、震災の記憶が今なお色濃く残っていることを実感しました。
震災当時、私は小学5年生でした。幸い、家族は全員無事で、被害は自宅の壁にひびが入る程度でした。しかし、電気や水道が止まり、近くの川へ水を汲みに行ったり、石油ストーブで炊いたご飯を近所の方に分けたり、飲み水を確保できる場所から水を分けてもらったりと、周囲の人々と助け合いながら日々を過ごしました。
今回、被災地で見聞きしたことや自身の経験を忘れず、防災意識を持ち続けることが、未来の災害に備える第一歩だと改めて感じました。
今回は、これで以上になります。ここまでお読み頂き、ありがとうございました!
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