御無沙汰しています。文学部新2年生のツガルです。World Bosai Forum 2025 世界防災フォーラムのプログラムで参加した石巻や女川などの震災遺構をめぐるエクスカーションの記事のPart.2となっております。ここでは、私たちが石巻市門脇町を訪れた際に立ち寄った本間家土蔵(以前の石巻巡検の記事でも扱いましたが)を紹介したいと思います。

土蔵の外観 外側に新たに設置された屋根の上部あたりまで津波が押し寄せたそうです

土蔵の扉はこのようになっています。大の大人がやっとの力で開けられるほどの分厚い扉。当時の技術力の高さを実感しました。

土蔵の一階部分には多くの収蔵品が! これだけで展覧会を開くことができそうな、貴重な当時の資料が並べられており、津波関連のスクラップ記事も展示されていました。
また、二階部分には中性紙箱に入った本間家の古文書がありました。私はまだ勉強中なのですべて読むことはとてもかないませんが… 当時廻船業を営んでいた時期の史料だそうです。
本間家土蔵が位置する門脇町は震災の被害をダイレクトに受けた地域のひとつで、震災当時多くの家が流されました。本間家の土蔵が形をとどめることができたのは、土蔵の壁の構造にその要因が考えられます。土蔵は「土壁+漆喰仕上げ」でできており、通常30~60cmほどの厚みがあります。また内部の木組み(柱・梁)が堅牢に組まれており、壁と一体化しているため、耐震性や耐水性を期待できます。これらが津波を防いだ要因のひとつではないでしょうか。また、土壁という特性上、津波や地震に伴う火災も防ぐことができると考えられます。
門脇町付近の地域は海に近いという地理的要因により、歴史の中で何度か津波の被害を受けていることが確認できます。例えば1896年に発生した明治三陸地震では、青森県から宮城県にかけての太平洋沿岸が襲われ、最高で38メートルもの打ち上げ高が記録されています。 被害は甚大で、多くの集落が壊滅的な被害を受けました。しかし、一部の地域では、頑丈な構造を持つ土蔵が津波に耐えた例が報告されています。また建築家の伊藤為吉氏が宮古から釜石の間を調査した際、「耐震的家屋は海嘯建物として効能の大なるもの」と報告しています。本間家の土蔵も、二つあったうち現存している土蔵の方が津波に耐え抜いたことから、定期的にメンテナンスを行うことで、土蔵は災害に耐え抜くことができる強い建築物であると改めて実感しました。
わたしたちみちのく古文書同好会では、東北大学青葉山キャンパス災害科学国際研究所災害文化アーカイブ研究室と協力して、資料保全の活動も行っています。今回のツアーで実際に目にして学んだことを今後の活動につなげていきたいですね。
今回のブログはここまでです、最後までお読みいただきありがとうございました! 文責:ツガル

土蔵の外観 外側に新たに設置された屋根の上部あたりまで津波が押し寄せたそうです

土蔵の扉はこのようになっています。大の大人がやっとの力で開けられるほどの分厚い扉。当時の技術力の高さを実感しました。

土蔵の一階部分には多くの収蔵品が! これだけで展覧会を開くことができそうな、貴重な当時の資料が並べられており、津波関連のスクラップ記事も展示されていました。
また、二階部分には中性紙箱に入った本間家の古文書がありました。私はまだ勉強中なのですべて読むことはとてもかないませんが… 当時廻船業を営んでいた時期の史料だそうです。
本間家土蔵が位置する門脇町は震災の被害をダイレクトに受けた地域のひとつで、震災当時多くの家が流されました。本間家の土蔵が形をとどめることができたのは、土蔵の壁の構造にその要因が考えられます。土蔵は「土壁+漆喰仕上げ」でできており、通常30~60cmほどの厚みがあります。また内部の木組み(柱・梁)が堅牢に組まれており、壁と一体化しているため、耐震性や耐水性を期待できます。これらが津波を防いだ要因のひとつではないでしょうか。また、土壁という特性上、津波や地震に伴う火災も防ぐことができると考えられます。
門脇町付近の地域は海に近いという地理的要因により、歴史の中で何度か津波の被害を受けていることが確認できます。例えば1896年に発生した明治三陸地震では、青森県から宮城県にかけての太平洋沿岸が襲われ、最高で38メートルもの打ち上げ高が記録されています。 被害は甚大で、多くの集落が壊滅的な被害を受けました。しかし、一部の地域では、頑丈な構造を持つ土蔵が津波に耐えた例が報告されています。また建築家の伊藤為吉氏が宮古から釜石の間を調査した際、「耐震的家屋は海嘯建物として効能の大なるもの」と報告しています。本間家の土蔵も、二つあったうち現存している土蔵の方が津波に耐え抜いたことから、定期的にメンテナンスを行うことで、土蔵は災害に耐え抜くことができる強い建築物であると改めて実感しました。
わたしたちみちのく古文書同好会では、東北大学青葉山キャンパス災害科学国際研究所災害文化アーカイブ研究室と協力して、資料保全の活動も行っています。今回のツアーで実際に目にして学んだことを今後の活動につなげていきたいですね。
今回のブログはここまでです、最後までお読みいただきありがとうございました! 文責:ツガル
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