みなさんはじめまして。東北大学文学部のさべです。
私もこの蝦名研究室でアルバイトとしてお手伝いをさせていただいており、主に文化財マップの作業などを担当しています。
はじめて記事を書くので何を書こうか迷いましたが、今回は私の地元・鎌倉における関東大震災による被害について、見てみようと思います。そして、文化財を保護する大切さをお伝えできればと思います!
関東大震災の鎌倉における被害は甚大なものでした。被害の詳細としては、鎌倉町で全壊1455戸、半壊1549戸、埋没した家8戸。津波による流失は113戸、地震直後の火災で全焼が443戸にのぼり、半焼は4戸で、死者は412名、重傷者は341名を数えたそうです。当時の鎌倉町の全戸数が4183戸、人口も現在より少なかったことを考えると、この被害の数字は大きな意味を持ち、多大な打撃を与えたことがわかりますね。
では文化財や社寺などへの被害はどのようなものだったのでしょう。被害が最も大きかったのは社寺で、鶴岡八幡宮・建長寺・円覚寺・高徳院・宝戒寺・極楽寺などです。このなかで、現在の鎌倉駅に近く中心的な観光地である、鶴岡八幡宮について見てみます。
鶴岡八幡宮は奥の本殿・弊殿・拝殿は倒壊せず、楼門・下拝殿・一ノ鳥居・二ノ鳥居・三ノ鳥居・太鼓橋・白旗神社の拝殿等が全壊。特に、二ノ鳥居(段葛の入り口の鳥居)は当時石造りでしたが全壊し、落下した笠石で一人が圧死しています。現在の美しい鶴岡八幡宮の姿は、このような被害を乗り越えた姿なのです。
ちなみに、一ノ鳥居はより海の近くにある鳥居で、三ノ鳥居は八幡宮の入り口の鳥居を指しますが、このなかで、現在も石造りなのは一ノ鳥居だけなので、海に歩いて行くときなんかに見てみてくださいね。
みなさんに馴染みのある観光地・鎌倉も、実は災害の被害を多く受けてきました。観光で行く際にはそんなことにも思いを馳せつつ散策すると、より文化財の大切さを感じることができると思います。
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