こんにちは。蝦名研究室にてアルバイトをしているさべです。

今回は、鎌倉観光の際に気になる「あの井戸」について紹介しようと思います。


鎌倉に観光に来たことのある方なら、一度は鶴岡八幡宮に行きますよね。鶴岡八幡宮に観光に行った帰りや向かう過程で小町通りを歩く方は非常に多いのではないでしょうか。

ところで、小町通りを鶴岡八幡宮側に抜けた曲がり角に「井戸」があるのはご存じでしょうか。


この井戸です。


写真を見ると「あの井戸か!」となる方もいらっしゃるのではないでしょうか。この井戸は「鉄(くろがね)の井」という鎌倉十井の内の一つです。

この井戸は、鎌倉五名水を紹介する『鎌倉名所往来』の中でも次のように言及されている井戸です。


「つるが岡より西(にし)の方、日金山に鶯(うぐいす)谷、末世につきぬ

鉄(くろかね)井戸、源氏(けんじ)数代(すたい)の名家(めいか)にて御運(こうん)をひらく」

『鎌倉名所往来』より


つまり、皆さんが鶴岡八幡宮に観光に行く際に素通りしてしまっている「あの井戸」は江戸時代においては立派な観光名所の一つだったわけです。水・井戸について言えば、他にも鎌倉には鎌倉五名水・鎌倉十井といった江戸時代の観光名所が様々なところにあり、江戸時代の観光客はこのような観光名所も巡っていました。

鎌倉にたくさん来たことがあっても、いつも同じ観光ルートだと飽きてしまいます。そんなとき江戸時代の往来物を見てみると、今まで身近にありながら素通りしてしまっていた新たな観光名所に出会えるかも知れません。